小説家鈴木輝一郎のはてな日記

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五十嵐 貴久著『超・戦略的! 作家デビューマニュアル』、とりあえず手にとってみよう

五十嵐 貴久『超・戦略的! 作家デビューマニュアル』(PHP新書)読了、感想。小説の書き方ハウツー本です。限られた紙数のなかでよくこれだけいろいろまとめられたなあ、というのが率直な意見です。

 

印象としては、「読者ウケはするだろうけど、実際にこれでデビューできるだろうか?」ってところですか。小説を書こうという人は「新人賞の傾向と対策」に熱心で、「プロットの立て方」に強い興味を持つ傾向があり、国語の勉強や登場人物の履歴書づくりといった地味なことを嫌う傾向が顕著なんで。

 

実際に未発表の原稿をどっさり目にしてみると、傾向と対策ばかりに熱心で、小説に対する愛や情熱を忘れているケースはけっこう読み手に伝わる。2017年の新人賞は「受賞作なし」が続いているけれど、その原因はやはり基本的なことをおろそかにしていること、小説に対する愛と情熱を忘れていることに尽きるんじゃないかしらん。

 

なんだか、あまり褒めていないような書き方をしてますが、とりあえず手にとって読んでみる価値はあります。

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