小説家鈴木輝一郎のはてな日記

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2017年8月9日(水)小説の新人賞を受賞するためには自分の実力を正面から受け止めよう

終日、鈴木輝一郎小説講座の受講生の講評原稿に目を通してコメント書いてメール。
日本語がおかしくて何が書いてあるのかわからないケースや、「下手」という水準にも達していないのでコメントしようがないケースはけっこうある。
うちは遠回しに言うことはせず、はっきりその旨、伝えることにしています。
 
日本語がおかしいのに小説家を目指すのは恥じゃない。「下手と呼ぶには下手に失礼」という筆力で小説家を目指すのは無謀じゃない。
日本語がおかしいことは、伝えたいことがないこととは違う。ちゃちゃっと日本語のおさらいをすればそれですむ。
「下手」という水準にも達していないのは、数を書けばそれなりになってくるし、書き上げることができれば長所や短所の洗い出しができる。
 
とはいえ「自分の筆力」をはっきり指摘されたとたんにやめてしまう受講生はけっこうな割合でいるけどね。
 
あと、鈴木輝一郎小説講座は添削講座ではないので、できるだけ受講生の作品について言及しないようにしてる。そのほうが伸びるんで。
ただ、「作品について何も言わない」ことを不満に感じてやめてしまう受講生も一定数いる。人間、自分が言ってほしい答えがかえってこないと「答えてもらっていない」と思うものだわさ。
 
誤解するひとがちょいちょいいるんだが、鈴木輝一郎小説講座は天才を発掘する場でもなければ名作の書き方を教える講座でもない。
「新人賞を受賞してプロデビューするための講座」
新人賞はしょせん新人賞なんで、高度な話はしない。
日本語で書きましょうとか、登場人物の履歴書をきちんとつくりましょうとか、取材をきちんとしましょうとか、ミステリだったら刑法・刑事訴訟法の勉強をしましょうとか、そんな基本的なところっす。
 
小説を書いて一発当てようという人は、わりと地道なことを嫌うタイプが多いので、ここらへんの基本的なことをやっとくとけっこう簡単に新人賞をとることはできる、ってことです。
 
みんな、自分を知って、ひとつずつやってゆこうよ。