池上遼一『信長』は歴史小説を書く教科書だ
考証や史実に事実誤認があったり、信長の描き方がきわめてオーソドックスだったり(これは1986年の発表時ですでにスタンダードな描き方をしてた)、なにせGoogleアースも何もなかった時代に描かれた作品だけに地理におかしなところがあったりするんですが、とにかく面白い!
織田信長を正面から正統的に描くのは勇気がいるんですが、これ、変化球ではなく、ちゃんと「読者の期待する信長像」を押さえてますね。作品が描かれた当時の通説にも可能な限り忠実に描こうとしていますし。
手垢のついた素材を、読者の期待と著者の満足のかねあいをつけながらどうやって描くかというのは、歴史小説を書くうえではとても難しい問題でもある。
「ほー」とか「へー」とかいいながら夢中で読みました。
Twitterで「小説技法上の視点者について」って雑談をしたのでそのまとめ。
小説技術的に「視点者を固定したほうがいい」というのは「そのほうが簡単に書けるから」ってことで、それ以上のことはないっす。
視点を揃えると「誰の目から書かれているか」の説明をせずに済むし、「視点者が知らないこと」は「謎」になるから謎を作りやすい。
つまり、このセンテンスは誰の目から書かれているか」が一瞬でわかって、「謎」を作ることができれば、視点の統一はこだわらなくていい。
もっとも、多視点で書く場合、視点者のキャラをきちんと作っておかないと、どの視点者のメンタリティも同じになる。
「神の視点で書きました」と主張する小説家志望者の原稿をチェックすると、
1)視点者のメンタリティがみんな同じで結局著者のひとりごと
2)視点者の違いが理解できなくて、単にぐちゃぐちゃに書いていて読者に映像が浮かばない
のどちらか、あるいは両方。だから「視点者を揃えて書くほうが簡単ですよ」と教えています。──上記ふたつの要素がある多視点の作品は、「読みづらい」どころか「何が書いてあるのかわからない」ことがとてもおおいんで。
ミステリの場合、「視点者(読者)からはわからない謎」の存在は不可欠なので、視点者についてやかましく言うことはありますけど、絶対的なものじゃない。
鈴木輝一郎小説講座受講生・徒埜けんしん君のデビュー祝いの手配とか
【業務連絡】鈴木輝一郎小説講座受講生のみなさんへ
●【業務連絡・2016年11月11日記】鈴木輝一郎小説講座受講生のみなさんへ
2016年11月26日(土)の講座通信を一斉配信しました。確認してください。
講座詳細は>
【ゲスト早見俊】プロの小説家の姿勢【鈴木輝一郎小説講座動画ダイジェスト】
「自分の好みよりも読者に求められるものを」という、徹底したプロ意識の話。
鈴木輝一郎小説講座は全国屈指のプロデビュー率。受講受付随時。ネット対応で全国どこからでも受講できます。電話 0120-670-877 担当 川島 講座詳細 http://www3.famille.ne.jp/~kiichiro/#Anchor100426
鈴木輝一郎小説講座 2015年の受講生実績はこちら>
パワポ使った講演仕事にはリモコンが必須
明日の講演『関ヶ原合戦と東本願寺』の準備続き。ネットブックが無事充電できたんで、パワポのリモコンをセットし、時計をみながら2度目のリハーサル。ちと枚数が足らないかと思ったんですが、おおむね90分でできたので、これでOK。
リハーサルはフルで1時間半かかる。しゃあないけどね。
パワポのリモコンはパワポを使う上では必須ですね。いろいろありますが、ぼくはコクヨの『サシ-41N』をつかってます。レーザーポインタもついてますが、レーザーポインタはいがいと支持先がわからないので、指示棒を使ってます。
コクヨ 赤色 レーザーポインター 手のひらサイズ シルバー サシ-41N
- 出版社/メーカー: コクヨ
- 発売日: 2007/08/01
- メディア: オフィス用品
- 購入: 5人 クリック: 74回
- この商品を含むブログ (9件) を見る