小説家鈴木輝一郎のはてな日記

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2018年2月26日ロマンスミステリは渡辺淳一だった

蒼の略奪者

イローナ アンドルーズ (著), 仁嶋 いずる (翻訳)『蒼の略奪者 Kindle版』ハーレクイン (2016/4/15)読了、感想。これは超超超超収穫。知人に「ロマンス小説って意外と穴場ですよ」と教えられ、もちろん岐阜の書店にハーレクインなんて置いてないので、amazonでレビューの多いものを買ってとりあえず読んだらものすげえ面白かった。
先にいっておくと、ベタベタな作品です。魔法ものというか、超能力異世界もののミステリです。
ヒロインのまわりにいる男たちはみんなハンサム。メガネからマッチョ、細マッチョといったバリエーションがあります。ほいでもって彼らは金持ち・金持ちのボンボン・先祖から金持ち・やり手のビジネスマンという具合で、ほぼ全員がヒロインに惚れる。
綿密な設定と映像的な描写と万全な取材に裏打ちされたディテールを背景に、どうでもいいような願望と妄想が炸裂するという──そう、渡辺淳一の世界を女性にコンバートするとこんな感じになるか。
あまりにもあからさまで、夢中になって読みました。面白かった!Kindle版もあります。

蒼の略奪者