小説家鈴木輝一郎のはてな日記

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伊藤祐靖『国のために死ねるか』で武士道を知る・などなど2017年5月7日の読書ノート

稲穂健市『楽しく学べる「知財」入門』 (講談社現代新書) Kindle版・講談社 (2017/2/20)読了、感想。これは超収穫。知的財産についての解説書。登録商標について調べたかったことがあってポチったんですが、わかりやすくて納得。Kindle版へは>http://amzn.to/2qOYm64

 

徒埜 けんしん『月とうさぎのフォークロア。 St.2 はかなき双月、かくて月食むしろうさぎ。』 (GA文庫) Kindle版・SBクリエイティブ (2017/4/13)読了、感想。鈴木輝一郎小説講座のOB、徒埜君のシリーズ2作目。1作目よりもさらにサービスカットを増やした、著者の趣味炸裂の俺強えエロ妄想無敵物語。http://amzn.to/2p8e7c2

 

安達正勝『死刑執行人サンソン――国王ルイ十六世の首を刎ねた男 』(集英社新書) Kindle版・集英社 (2003/12/22) 読了、感想。これは超超超収穫。ずいぶん前に評判になった、洋物の歴史解説書です。描写がけっこう生々しいなあ。八つ裂きの刑も具体的に方法が書いてあってなんとも。

日本だと山田浅右衛門が有名ですが、ずいぶんと趣きが違いますな。

良質な訳文でストレスなく読めます。 http://amzn.to/2qOV2bf

 

津田 彷徨『転生太閤記 ~現代知識で戦国の世を無双する~<転生太閤記> 』(カドカワBOOKS) Kindle版・KADOKAWA / 富士見書房 (2017/1/10)読了、感想。これは収穫。ラノベの転生物の歴史小説です。とてもオーソドックスな人物造形とストーリー運びと、抜群の見せ場づくり。はじめて歴史小説を読む人に向けて書いたんだと思いますが、とてもとっつきやすい。本書をきっかけに歴史小説に関心を持つ層が増えてくれないかな。

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蛭子 能収『ひとりぼっちを笑うな』 (角川oneテーマ21) Kindle版・角川書店 (2014/8/15)読了、感想。エッセイです。これは収穫。フリーダムな生き方をしてる人だなあ、というのが実感。なかなかここまで達観はできないもんなんですが。

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伊藤祐靖『国のために死ねるか 自衛隊「特殊部隊」創設者の思想と行動 』(文春新書) Kindle版・文藝春秋 (2016/7/20)読了、感想。これは超超超超収穫。戦国武将のメンタリティの参考になれば、とおもって手にとったんですが、戦国武将というよりは江戸時代の武士のメンタリティですな、この著者。戦国武将はここまでストイックじゃない。

よく考えたら江戸時代の武士は「戦ってはいけない軍人」で、その意味では立場的に現代の自衛隊と似るのは当然っちゃ当然か。本来、武士道って哲学は「軍人なのに戦ってはいけないという立場の軍人が、自分のアイデンティティのよすがとする」ために生まれた美学でもあるし。

本書は本書で「サムライの美学」を知るうえでとても参考になったんでありました。

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