小説家鈴木輝一郎のはてな日記

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「意外なことに面白い」徒埜けんしん『月とうさぎのフォークロア。』(GA文庫)

以前、ふだんあまり本を読まない知人がぼくの本を読んで、「意外なことに面白かった」と妙な褒め方をした。
「『意外と面白い』じゃないよ、『意外なことに面白い』だよ」だそうだ。

本書は鈴木輝一郎小説講座の受講生のデビュー作。
2017年1月にゲストで音声インタビューすることになったんで読んでみた。
パッケージががっつり俺妹系のエロラノベ風で、だいたいこういうのは50代の読者を想定していないから、ぼくが読んでも面白いはずがない──とおもって目を通しはじめたんですが、意外なことにものすげえ面白い。
お約束で巨乳の従妹が高校生の主人公がシャワー浴びてる最中に全裸で後ろからきたり、主人公は実は無限大に強くてしかも強大な組織がバックについてて、というラノベのお約束の妄想が炸裂してるんですけどね。
ただこの「強大な組織」っていうのが、八百万の神々で、この神様どおしの戦いが、ざっくりそのまま「仁義なき戦い」のマル暴の世界で。
とにかく、ありとあらゆる「面白い要素」を詰め込めるだけ詰め込んだ本です。

いやー、よくこんなクダラナイ(褒め言葉です)ことを思いついたもんだ。とにかく、著者が楽しんで書いている(実はけっこうたいへんだったとは聞いてますがあえてそう言う)のが伝わってきます。
ふだんラノベとは縁のないかたも、ぜひ手にとってくださいな。

書店ではライトノベルの棚にあるはずです。2016年12月13日発売。
ほとんどの書店に置いてあるはずです。ラノベは棚の回転が早いそうなので、速攻で書店でお買い求めくださいな。
書店に注文する場合のISBNコードは下記。
ISBN. 978-4-7973-8928-9

お近くに書店がない場合、あと、下着巨乳美少女のカバーのついた文庫をレジに持っていく勇気のない方は下記からKindleでどうぞ。
月とうさぎのフォークロア。 St.1 月のない夜、あるいは悩めるうさぎ。 (GA文庫)

月とうさぎのフォークロア。 St.1 月のない夜、あるいは悩めるうさぎ。 (GA文庫)