小説家鈴木輝一郎のはてな日記

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2016年10月22日鈴木輝一郎小説講座のまとめ2

今月の講評は実験的に4人。受講生が増えてきて、月3人の講評では追いつかなくなってきているので。

講評1はSkypeで首都圏在住の二十代の受講生。
「仕事と資料読みと小説読みと執筆の時間はどうやって配分すればいいか」という質問には「睡眠時間を削れ」と回答。これは二十代だからできる技。四十過ぎたら睡眠時間は最優先。

講評2は「初診」Skypeで東北在住。
長編はコンスタントに書けるようになれると、あとは質をあげるだけなんで、そう難しいことじゃない、という話。連続殺人犯が出てくるんで、永山基準の話とかね。
「キャラクターとストーリーとの間に矛盾が生じた場合はどうしたらいいか」という質問があったんで、「キャラクターを優先させてストーリーをかえるように」と回答。いわゆる「キャラが勝手に動く」というのは、そういう状態のことなんで。

講評3は「再診}。
「長編を埋めるのがたいへんだった」とのことでチェック。準備や調査、背景などを作っていないことをチェックしてゆく作業ね。

講評4は「初診」。
視点者についてかなり混乱がみられたので、その修正とチェック。

全体に共通して言えるのは、やはり「圧倒的な準備不足」ということ。着想とストーリーづくりにばかり気をとられて、登場人物の履歴が空白ばかりだったり、作品舞台についての調査がしていなかったり。
「伝えたいことがなければ伝わらない」というのは鉄則。

さすがに講評4人は体力的にかなりきついので、来月の講評は1ヶ月3人にもどすことに。