小説家鈴木輝一郎のはてな日記

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2017年10月18日日本推理作家協会70周年記念トークショーを見学してきたでござる

2017年10月18日(水)
日本推理作家協会70周年記念トークショー見学のまとめ

場所 イイノホール
時間 5時〜9時
ワークショップ 逢坂剛独演会&書評家座談会
 西上心太 山前譲 吉田伸子
第1部 第70回推理作家協会賞受賞者&選考委員座談会
 宇佐美まこと あさのあつこ
 薬丸岳 道尾秀介
第2部 歴代理事長・代表理事座談会 
 阿刀田高 北方謙三 大沢在昌 逢坂剛 東野圭吾 今野敏

まずはイイノホールの職員の対応の素晴らしさに感動したでござる。
ワークショップは先着80名ってことだったんで、念のため開場の30分前にならんだが、隣の人が内蔵に障害があるらしく、
「立って並ぶのは辛いので座らせてくださいね」
と、床に直接座った。アレなんで椅子をもってきてもらうように頼もうかと係員さんを探そうとしたら、それより先に速攻で係員さんが椅子を持ってきた。
で、開場後にホールにはいるんだが、二階入り口からはいる。そのとき、足の不自由なかたが手すりにつかまり、杖をついて一歩踏み出した瞬間、職員さんが飛んできて、「こちらに」と、1階非常出入り口に通した。
こういう機敏さは、帝国ホテルか宮内庁でしか見たことがなかったんで、ものすげえびっくりした。

ワークショップの「逢坂剛独演会」っていったい何をやるのか、さっぱり見当がつかなかった。
同行してくれた知人と、
「まがりなりにも『推理作家協会の70周年記念ワークショップ』だからなあ。まさか西部劇の拳銃の早抜きショーとか、フラメンコギター演奏じゃないよねえ」
と冗談で軽口を叩き合っていた。
……本当に西部劇の拳銃の早抜きショーとフラメンコギター演奏だった。
逢坂さんを甘くみていました。ごめんなさい。思いっきりウケちゃったでござる。ここでこうくるか。

後半の書評家座談会は、逢坂剛さんが加わった。
内容については「オフレコ話だから」ってことが多かったので詳細はパスね。
「書評家で妻帯者は山前譲さんぐらい。それ以外の妻帯者は、サラリーマン時代に結婚してから書評家になった」って指摘があってびっくりしたが、言われてみればその通り。なぜなんだろう。

第1部の推理作家協会賞受賞作家トークショーは1時間。内容については著作権のからみもあるので詳細はパス。
印象的だったのは、宇佐美まこと・あさのあつこ両氏が、1時間のトークショーの間、まったく背もたれにもたれかからなかったこと、ですな。作家も見た目が大切です。

第2部は大沢在昌さんがMCで2時間。これも内容は後日毎日新聞JTのサイト『嗜好と文化』で詳細がレポートされるので詳しくはパス。
著作権に関係なさそうな話題としては、
「舞台では靴と靴下は意外と目立つ」
ということ。
阿刀田さんと北方さんがものすげえ上等な靴を履いていたのと、逢坂さんのスニーカー&カラフル靴下がおしゃれだったでござる。
あと、意外と靴下はずり下がってくる。自分がステージに立つときは、靴下じゃなくてストッキングにしなきゃなあ。
それから、誰がどの話をしたかというのは公式のレポートが出たときに読んでいただくとして、
「次世代の作家に伝えたいことは?」という質問に対し、
「きちんとした日本語を書こう」「とりあえず書きまくろう」という具合に、うちの講座でいつも言ってるワードがずらずらと。

岐阜に住んでいると、これだけの規模のトークショーや講演を聴く機会は決して多くない。ノートは書き込みでびっしり。本当に勉強になったでござる。
泊りがけで足を運んでよかったっす。

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