小説家鈴木輝一郎のはてな日記

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鈴木輝一郎小説講座2016年度4人目の受賞者が発表になりました。

あ、いま鈴木輝一郎小説講座の受講生の受賞、正式発表されましたね。

大空なつきさんの『世界一クラブ』で、第5回角川つばさ文庫小説賞金賞。2016年度では4人目の受賞者です。秋に受賞作が刊行されるとのこと。
主催者発表のサイトは下記。

水生大海『だからあなたは殺される』は「人間が描けているルメートル」だ

水生大海『だからあなたは殺される』光文社 (2017/2/20)読了、感想。これは超超超超超収穫。ミステリです。
地に足のついた警察小説かとおもいきや、二転三転と、つぎつぎとどんでん返しがある。

「次々とどんでん返しがあって目が離せない」ってえと、最近はルメートルカミーユ・ヴェルーヴェン警部がよぎる。
だけど、ルメートルはよく検証してみると、人間の描き分けができなくて、それをカバーするために凄惨なシーンをつっこんで目眩ましさせてますわな。
だけど本作は、警官の兄・高校生の妹・(それ以上書くとネタバレになるのでパス)などなど、人間をきっちりつくりこんである。だから、痛々しいシーンは控えめなのに痛い。

ミステリが好きな人は必読でっせ。いまならまだ書店の店頭に並んでいるはず。
Kindle版は>http://amzn.to/2m3ExtY
だからあなたは殺される

だからあなたは殺される

 

2017年も横溝正史ミステリ大賞の最終選考に鈴木輝一郎小説講座の受講生が残りました。

2017年第37回横溝正史ミステリ大賞の最終候補に、今年も鈴木輝一郎小説講座の受講生が残りました。本選考は4月26日(水)とのこと。決まるといいなあ。主催者の公式発表はこちら> 

shoten.kadokawa.co.jp

柴田よしき『理由』は数年に1度の傑作短編ミステリだ

柴田よしき『理由』(アンソロジー『隠す』文藝春秋(2017/2/9))読了、感想。
これはミステリ短編超超超超超収穫。短編ミステリとしては「数年に一度」傑作。自分の読書リストは自前のサイトでチェックでき、確かめたうえで言っているので誇張じゃござんせん。本当にそういう水準。
トーリーはシンプルで、人気芸人を刺した女性の動機についての謎。
とにかくリアリティに徹していて、警察のできること・できないこと・できる範囲でわかること・そのなかで推理できること、ということの取材が綿密なこと、そして登場人物たちが、「犯罪という非日常に巻き込まれた普通の人々(これは実は書くのがものすげえ難しい)」で、動機もわかるし、動機が解明されてゆくプロセスが次々と畳み込まれていきます。
短編ミステリを書く定石としては、できる限りシンプルに、テーマから外れるものは外してゆき、リアリティには目を閉じることも少なくない。短編ミステリの場合、刑法犯をからめると読者の共感を得るのが難しいく、「日常の謎」で勝負したほうがおさまりがよくなる。
こうした定石は定石だけの理由があって、定石を押さえると確実に一定水準の面白さが出る。
定石を外すと傑作が生まれることがしばしばあるんだけど、勇気がいるんだよね。
この短編は、そういった短編ミステリの定石を外し、徹底的にがっつり詰め込んである。短編ミステリって制約が多いんだけど、ここまでのことができるんだ、とあらためて学んだんでありました。
他の収録作も面白いんですが、本作が突出してよかったんで、とり急ぎレビューを。
アンソロジー 隠す

アンソロジー 隠す

 

『小説新人賞の受賞はホントに簡単!』って内容でオンライン座談会をすることになりました。

『小説新人賞の受賞はホントに簡単!』って内容でオンライン座談会をすることになりました。
日時 3月16日(木)22時~3月21日(火)23時
パネリスト
鈴木輝一郎(小説家)
架神 恭介 (作家、漫画原作者
泉 和良 (作家、ゲーム制作者、ミュージシャン)
至道 流星 (作家、エンジニア、経営者)

お知らせは下記。
http://talkmaker.com/info/100.html

座談会詳細は下記。

talkmaker.com

オンライン座談会ということで、期間内はいつでも閲覧できるとのこと。
ぜひどうぞ。

鈴木輝一郎 by desktop

アンソロジー『隠す』(文藝春秋)トークショー大阪を聴きにいく

大阪・蔦屋書店で「アミの会(仮)」の書き下ろしアンソロジー『隠す』刊行トークショーの見学。
岐阜に住んでいるとこうしたトークショーを見学する機会は皆無に近いので、情報が入ったらできるかぎり聴くようにしてる。要するに勉強です。
今回は西日本在住の作家の回。福田和代・近藤史恵光原百合・松村比呂美・柴田よしき(着席順)
場所は蔦屋書店内の喫茶コーナーで、客席は20席ぐらい。女性は7割ぐらい。
それぞれの執筆スタンスやスタイルなどの話が面白く、あと、夜型が多いのが意外だったかな? ぼくの周囲は朝型が多いので。
トークショーの内容はそれぞれの著作権にかかわることなんで詳細はパス。「ほお」とか「へえ」とか、学ぶことのおおいトークショーだったのは確か。大阪に足を運んだ価値はじゅうぶん。
大阪創作サポートセンターのSさんと同席したんで、大阪サポートセンターのゲスト講師の日程決め。大阪はとにかくホテルが押さえられないので、スケジュールだけ先に押さえて宿をとるため。あと、同業者知人がゲラかかえて聴きにきていたので雑談。
帰りの電車のなかでアンソロジー『隠す』をぱらぱらと読み始めたら、夢中になってやめられなかった。このレビューはまたいずれ。
アンソロジー 隠す

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袴を25年ぶりに新調と八光流合気武道

合気道の袴を25年ぶりに新調。10000番のがっちりした藍染の。いままで使っていた木綿袴があまりにもボロボロになってきたんで。
夏場、道場指定のテトロン袴だと暑いんで、居合で使ってた剣道用の木綿袴を流用してたんだけどね。気がついたら25年穿いてたんで、時間とれたから水道橋の尚武館で買ってきた。
剣道は防具をつける関係で袴はヘソの高さではく。合気道は防具をつけないので袴は腰ではくから、剣道より1サイズ短いものにする。
まあ、このつくりならあと25年はちゃんとはける(それまで稽古ができるかどうかは別)。生地がしっかりしてるしね。
問題は、本藍染なんで、とにかく色落ちがすごい。剣道用具はだいたいそういうもんだけど、しつけ糸をほどくだけで色移りで指先が真っ青になった。これではかなわんので、今朝からとりあえず色落とし。
一度だけ洗濯機にかけ(いちおう、これは禁忌)、それから風呂に湯を張って酢を落として半日つけて、いま陰干し中。その作業していると指が真っ青。
いちおう、夏用なんだけど、なにぶん生地がまだ硬いのと、色落ちがおちつくように、いまから穿こうか。
ちなみにぼくのやってるのは正確には「八光流合気柔術」。合気会養神館などにくらべてかなりマイナーなので資料なんかないだろうと思っていたら、Kindleだと英語版があったのを見つけた。いまダウンロードしたんでこれから読む。
Amazing !  The secret of Hakkoryu Jujutsu.  Explains its system of accelerated mastery (English Edition)

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  • 作者: Okuyama Ryuho Hakkoryu 2nd Soke,Monthly HIDEN editorial department,Kurabe Makoto Shiseido,Andrew Bryant
  • 出版社/メーカー: BAB JAPAN
  • 発売日: 2017/01/31
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